見栄えのいい設定画と「モデリングできる三面図」は別物
AIで作ったキャラクターシートを Blender に読み込んでみたら、正面と横顔で顎の高さが違う、腕で腰のラインが隠れている、影のせいで服の切り替えが分からない。そんな経験はないでしょうか。多くのAI設定画は「見せるため」の絵なので、ドラマチックな光、動きのあるポーズ、少し傾いたカメラで描かれています。イラストとしては魅力的でも、3Dモデルの下絵としては使いにくいのです。
モデリング用の三面図に必要なのは、同じキャラクターを、同じ縮尺で、決まった角度から、素直なポーズとフラットな光で描いたものです。この記事では キャラクターシート でそれを作る手順と、モデリングを始める前の確認ポイントをまとめます。
「3Dモデル用リファレンス」をオンにすると何が変わるか
キャラクターシート のページには 3D model reference(3Dモデル用リファレンス)という設定があり、最初からオンになっています。オンのときは、モデリングの資料でよく使われる形でビューが作られます。
- 平行投影の4ビュー:正面、斜め(45°)、真横(ぴったり90°の横顔)、背面
- 全ビューが頭からつま先まで入った全身。足先や髪の上が切れません
- 力を抜いたAポーズ:腕は体から30〜40°ほど開き、手のひらは太もも側、脚はまっすぐ、足は肩幅
- 影の少ないフラットな照明と無地の背景。色や形が影に隠れません
- 高さをそろえる横のガイド線。目・肩・腰・膝の位置がビューの間でそろうように描かれます
なお、出てくるのはあくまで2Dの参考画像です。3Dモデルそのものが作られるわけではありません。自分でモデルを組むときに背景に置く「下絵」を用意する道具だと考えてください。
モデラー目線でキャラクターを書く
設定よりも効くのが、キャラクターの説明文です。次の点を意識すると、ずっとモデリングしやすい三面図になります。
- 服と色を具体的に書く。「30歳の探検家。胸ポケットが2つあるくすんだオレンジのキャンバス地ジャケット、オリーブ色のカーゴパンツ、こげ茶の編み上げブーツ、黄土色の革ベルト」のように書くと、4つのビューで細部がそろいやすくなります。「冒険者っぽい服」だと、ビューごとに違う服になりがちです。
- シルエットを隠さない。長くなびく髪、マント、スカーフ、ゆったりした外套は体を覆い、角度ごとに形が変わります。三面図では髪をまとめるか短めにして、マントは後から別パーツとして作るのがおすすめです。
- 1枚に1キャラクター。二人組や複数のキャラクターが必要なら、1人ずつ別のシートにします。体型が混ざるのを防げます。
- 体格や身長の手がかりを入れる。「背が高く肩幅が広い」「細身で平均的な身長」などと書くと、横から見た厚みが正面と合いやすくなります。
取り込む前にチェックすること
結果の横には Ready to model from(モデリングに使えるか)のチェックリストが出ます。これを確認したうえで、3Dソフトを開く前に自分でも次を見ておきましょう。
- ビュー間で比率が合っているか。ガイド線に沿って、頭頂・目・肩・腰・膝・足裏が正面・横・背面でそろっているか。
- 横はちゃんと真横か。目が片方だけ見え、胸・背中・足の奥行きが分かるか。
- 細部が一致しているか。ポケット、ボタン、ベルト、靴ひもが、どのビューでも同じ側・同じ高さにあるか。
ずれていたら、モデリング中に直そうとせず作り直したほうが早く済みます。問題なければ各ビューを切り出して取り込みます。Blender なら正面と横を画像平面(Images as Planes)として読み込み、正面・右の平行投影ビューに合わせます。Maya ならフロントとサイドのカメラにイメージプレーンとして設定します。メインの下絵は正面と横。斜めと背面は、ボリューム感や正面から見えない部分の確認に使います。